山本昌氏が野球選手の不祥事について物申す
ここ数年はプロ野球選手に関する不祥事が続いています。
一番大きい話題では野球賭博が大きな話題を呼び、球界全体に大きな影響を与えました。
具体的なことを書けば、誰が円陣で掛け声をするか、その結果勝てばお金がもらえるなどのことや投手陣の中で誰が1番成績がいいかを競い合って勝った人にお金をあげるというものです。
正確には賭博とは関係ない要素がありますが、プロ野球選手は模範的な行動が求められる中で、お金によってモチベーションを変えていくあたりに疑問を感じる人は多く、結果的にそういうことはよくないとクリーンさが求められてきています。
最近は特定の球団、俗に言う在京球団に不祥事が集まっています。
女性たちがいる中で全裸になってしまって大騒ぎをした選手や酒に酔って警備員を突き飛ばしてしまった選手、借金で首が回らなくなり同僚選手の道具を盗んで売ってしまった選手などです。
結果的に活動自粛に追い込まれたり、クビにさせられその翌日に逮捕された選手もいたりします。
野球賭博の件もその在京球団の選手が大きく関与し、この数年で10人弱の選手が問題を起こしたということです。
週刊誌レベルで言えば、監督が暴力団に脅されていた、ベテラン選手がいかがわしい関係を持っていたなどたくさんあると山本昌氏も嘆いています。
(参考)
サントリードリームマッチ2018に出場しました – 山本昌オフィシャルブログ
お山の大将になりがちな幼稚な精神状態
このようにプロ野球選手は何かと問題を起こしやすいですが、その背景にあるものはお山の大将になりがちな幼稚な精神状態と言えます。
そもそもプロ野球選手は高校球児の憧れの存在であり、プロ野球が嫌いで野球をやっている人を探すこと自体が困難です。
つまり、野球をする人ならだれもが憧れ、その頂点に選手がいます。
お客さんからヤジを飛ばされることはある一方、基本的にはチヤホヤされる存在です。
地元に帰れば故郷の宝として持てはやされ、母校に帰れば大喜びされ、少年野球のチームに顔を出して激励をすれば真剣な顔で自分の話を聞いてくれます。当然ながら有頂天になります。
また高校野球のときからお山の大将になることは仕方ないと言えます。
野球留学をするケースで考えれば、中学校で優秀だった選手が特待生としてその高校に行きます。
その時点で相当名誉なことですが、そこで大活躍をすれば同世代の中でもかなりのエリートということになります。
当然異性からはモテにモテ、テレビ放映がある大会で大活躍をすることで地元の人たちも気合が入ります。
謙虚さがなかったとしても、ふてぶてしいぐらいがちょうどいいと矯正を求められることはありません。
そうなっていくと、自然と問題行動を起こしやすい選手へと変化してしまいます。
スランプやケガに直面した際の対応が大事だと山本昌氏は言う
プロ野球選手全員が問題を起こすわけではありませんし、人格者のような選手もいます。
これを分けるものはスランプやケガに直面した際の対応です。
今はマジメで大人しい人も入団当初は自覚に欠けた人だったケースはあります。
期待をされながらも全く結果を出せず、突き放されてしまう選手も少なくありません。
そこで目覚めて自覚を持ち始め、今では若くしてプロ意識の高さを見せつける選手もいます。
これまでに問題行動や自覚に欠ける行動をしていた人物こそ、我に返ってストイックに打ち込むことで急成長を遂げるケースもあるので難しい部分です。
バドミントンの世界では違法カジノに手を出してしまって、オリンピックの夢をフイにするどころか、活動自粛を長期間強いられた選手がいます。
しかし、自粛期間に自らを見つめなおし、恵まれた環境に感謝を持ち、心を入れ替えて練習を重ねたことで今までの実力を取り戻すどころか今まで以上に強くなり、世界のトップレベルと渡り合っているケースもできました。
プロ野球で考えれば、こうした反省を促し、自覚をさせていく環境が乏しいことが言えます。
何か問題を起こせばすぐに出されてしまうという球団側の踏ん張りのなさも大きな問題です。
問題を起こしやすいのは支える球団にも問題がある
別の球団は、ちょっとした不倫問題もすぐに公表するなどそれ自体が行き過ぎな発表ではないかと思わせる部分があります。
その一方、未成年で飲酒や喫煙など問題を起こした選手をすぐにはクビにせず、練習をさせてチャンスを与えていくことから、問題は問題として公表するもののチャンスは与えてあげるというスタンスがプラスに働くこともあるため、結局は本人の自覚以上に球団側のスタンスに大きなヒントがあると言えます。
その点、不祥事が連発する在京球団はそのあたりのスタンスに大きな欠陥があるといっても仕方ありません。
問題を起こしやすいのはプロ野球選手そのものに問題があるのは当然ですが、それを支える球団にも問題があります。
若手の教育をしっかりと行うことは当然であり、風通しのいい組織にしていくことも大事な要素です。
困難な状況だけを与えてはなかなか人格を改善させることはできません。
本人の責任と突き放している以上は、その球団での不祥事は止まらず、チームも上昇気流に乗らないことを当事者が自覚する必要があります。