日本ユニセフの組織概要と支援活動

最終更新日 2024年1月27日 by jssjss

日本ユニセフは正式名称を『公益財団法人日本ユニセフ協会』(Japan Committee for UNICEF)といい、東京港区に拠点をおく日本の公益財団法人です。
また「ユニセフ日本委員会」という呼び名が用いられることもあり、世界数十カ国および地域にある「ユニセフ国内委員会」のなかの一つに位置づけられています。

また、日本にはユニセフ本部の中に含まれる「ユニセフ東京事務所」(UNICEF TOKYO Headquarters office)もあり、ここと合同で「UNICEF in Japan」の名義をもち広報活動などをおこなっています。
ユニセフ本体からの位置づけは、この2つの組織をもって「UNICEF Japan」ということになります。

 

ユニセフの支部が置かれている理由

ユニセフの支部が置かれているのは、ユニセフからの支援を必要としている国がその対象で、例えばアジア地域でいうと、韓国と日本以外の各国に設置されています。
これとは別に地域ごとにも支部が置かれ、例えばアジアには「ユニセフ東アジア太平洋地域事務所」がバンコクにあります。
日本のような先進国には支部が存在しませんが、ユニセフから独立した組織として民間から募金活動を行う「国内委員会」として存在しているということになります。

とはいっても、ユニセフの公式ホームページなどを見ると、各国の国内委員会も含めてユニセフである、といった記述も複数見られます。
日本ユニセフは、ユニセフと協定を結び協力しながら国内から民間拠出金を集める、あくまでも「民間団体」である点が特徴です。
つまり職員は国家公務員や国際公務員でなく団体職員にあたります。

同協会は本部と結んだ協定により、会費や寄付金の4分の1までを上限として活動資金(広報や啓蒙含む)のためにストックし、ストック分を除いた寄付金をユニセフに拠出することになっています。

日本ユニセフ協会の評判について

 

日本ユニセフ協会について

世界の子供たち

ここで、どうして民間団体なのかという疑問を感じる方もいるでしょう。
先進各国にユニセフの支部ではなく、国内委員会という民間団体が設置されているのは、本来の目的を「途上国の子ども達の直接支援」とした国際連合の機関であり、先進国においては支援でなく「寄付金集め」がその目的となっていることにあります。

かつての日本も、第二次世界大戦が終わってからの一定期間は被災国として支援が必要だったため、10年以上にわたってニューヨークの本部から直接支援を受けていました。

途上国の子ども達の支援が現在の主たる目的ですが、もともとは戦争被災国の子ども達の直接支援を目的としていたためです。
日本で支部が設定されなかったのは、その後の復興により、援助する必要がなくなったためと思われます。

しかし先進国での活動といえど、ただ単に民間や政府からの寄付を募るだけではなく、虐待などの先進国・途上国を問わず起きている問題について、民間経由あるいは政府への直接提言を行う必要が出てくることもあります。

 

ユニセフ募金のシステム

また理念などを広く理解してもらうためには、さらなる啓蒙活動の必要性も生じることもあるでしょう。
そんな場合には、ユニセフ本部と「国内委員会」・「東京事務所」が一丸となって密接な体制をしいて臨むことになります。

ユニセフの活動の一環として私たちの目にする身近なものでは、街中で募金活動を行っていることではないでしょう。
しかしこの募金、具体的にどんなふうに使われているのか知っている人は少ないようです。
まず集まる募金の内訳をみてみると、民間からのものと各国政府からの協力金で、比率は政府の協力金のほうが多くなっています。

集められたお金は、まず民間団体である「国内委員会」(日本ユニセフ協会)に集められてからユニセフ本部に送られるシステムになっています。
本部は、さまざまな国や地域の中で必要だと判断されるところにお金を送り、それぞれの国・地域のなかで活動資金として活用されます。

 

一番困っている人達から援助を受けられる

これらの活動を円滑に行うためには、もちろん各国政府による協力がなくては進めることができません。
必要なところにお金を使うためには、まずどの国・地域の人々が困っているのかの調査からスタートします。
さらに具体的にどんな点で困っているのかを調べて、それを解決するための対策を考えていきます。

対策が決まればあとは予算計画も含めたプロジェクト作りとなります。
常に何を優先すべきかということを考慮に入れて進めていきますので、一番困っている人達から援助を受けられるというのが大きなメリットです。

いずれにしても、募金で集まるお金というのは「人々の善意」によるものです。
これによって子ども達への栄養補給・安心して飲める水の提供・予防接種による病気予防など多くのことに活用され、大切な命を守ることが出来るのです。

また、満足な教育を受けられない子ども達への教育環境の提供、虐待や暴力などから保護するなどさまざまな活動も含んでいて、これによって救われた子ども達も大勢います。

 

まとめ

こういった活動実績の詳細については広く知られていないことも多いため、協力したいという人を増やすには、報告を含めた広い意味での広報活動も必要だと言えるでしょう。